【カナダで妊娠】教えます!妊娠糖尿病(Gestational diabetes)って何?グルコーステストはどうやってするの?

妊娠したら避けては通れない、妊娠糖尿病検査。

このページでは、妊娠糖尿病(Gestational diabetes)とは何か、グルコーステストではどんなことをするのか、もし妊娠糖尿病と診断されたらどうなるのか、どうすれば良いのかを詳しく解説していきます。

 

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妊娠糖尿病とは何か

妊娠糖尿病(Gestational diabetes(以下GDとする))は、妊娠中に発生する糖尿病の一種です。妊婦の体が適切なレベルで血糖中のブドウ糖(砂糖)の量を保つのに十分なインスリンを生成することができないときに起こります。 GDを治療しないと、大きな赤ちゃんが生まれる可能性が高くなり、出産時の合併症(birth complications)や新生児の健康リスク(子癇前症/preeclampsia、肩甲難産症/shoulder dystociaなど)に繋がります。また、未治療のGDは、妊娠後期(36〜40週間)の死産のリスクを高めます。 GDを発症する女性は、将来2型糖尿病を発症するリスクが高くなります。但し、GDには優れた治療法があるため、GDと診断されたほとんどの女性は正常な分娩と健康な赤ちゃんを産んでいます。

 

なぜ妊娠糖尿病をスクリーニングすることが重要なのか

すべての妊娠中の女性は、妊娠24週から28週までの間にGDの血糖スクリーニング(グルコーステスト)を受ける必要があります。 GDの危険因子がある場合は、妊娠初期段階で検査されます。これらのリスク要因にはつぎのものがあります:
35歳以上
肥満/Obesity(妊娠前BMI値が30以上)
アボリジニー、アフリカ、アジア、ヒスパニック、または南アジアの民族
糖尿病の家系
多嚢胞性卵巣症候群(Polycystic ovarian syndrome)または黒色表皮腫(acanthosis nigricans)
妊娠中のコルチコステロイド(Corticosteroid)使用
以前の妊娠で妊娠糖尿病だった場合
4,000g以上の赤ちゃんを出産したことがある場合

 

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グルコーステストはどのように行われますか?

すべての妊娠中の女性は、妊娠24〜28週の間にこのスクリーニング(グルコース)検査を受けます。肥満などの他の危険因子が存在する場合、検査はより早い段階で受けるよう促され、例え最初の結果が正常であっても、検査は繰り返し行います。 GDのスクリーニングテストは「グルコースチャレンジ」と呼ばれ、体がどのように糖を処理しているかを確認することを目的としています。

測定は、グルコース飲料(糖分50g)を摂取してから1時間後に行われます。このテストは空腹時テスト(fasting test)ではないため、いつでも行うことができます。チャレンジ後に血糖値が正常であれば、これ以上の検査は必要ありません。高い場合は、2回目のテスト(糖分75g)が行​​われます。このテストは朝食を取らない状態で行われます。ブドウ糖飲料を飲む前にブドウ糖をテストし、ブドウ糖飲料を飲んだ後1時間後と2時間後にそれぞれ血糖値のテストをします。数値が高い場合は妊娠糖尿病と診断されます。数値に関しては、つぎの表をご参照ください。

メープル
グルコース飲料は、気の抜けたオレンジ味の炭酸ジュースといった表現が一番しっくりくるのはないかと思う味です。私は「うん、美味しい美味しい!」とゴクゴク飲めましたが、ほとんどの友人は「甘すぎて気持ち悪くなった」と言っていました。

 

妊娠糖尿病のスクリーニング数値一覧

1回目50gグルコースチャレンジ(検査前に絶食する必要なし)

1時間後の数値7.8 mmol / L未満 = 追加テストなし
7.8〜11.1 mmol / L = ステップ2に進む
11.1 mmol / Lより高い =  妊娠糖尿病と診断

2回目75gグルコースチャレンジ(検査前に絶食する必要あり)

空腹時5.3 mmol / Lより高い = 妊娠糖尿病
1時間後の数値10.6 mmol / Lより高い1時間 = 妊娠糖尿病
2時間後の数値9.0 mmol / Lより高い = 妊娠糖尿病

 

妊娠糖尿病と診断されたらどうなるのか?

妊娠糖尿病は妊婦の約7%がかかる、さほど珍しくない病気です。妊娠糖尿病であると診断された場合は、担当医からのサポートにより血糖値を健康な範囲に維持するようにします。例えば、健康的な食事の摂取、妊娠中の推奨増加体重を守る、運動、そして必要に応じてインスリンや錠剤を服用して血糖値を下げること等があります。

赤ちゃんの健康状態は、成長と羊水量の定期的な測定によって注意深く監視されます。

妊娠糖尿病と診断された妊婦は、分娩後6週間から6ヶ月の間にグルコーステストを再度行います。

また、妊娠38〜40週の間に陣痛促進剤の使用を促される場合もあります。

尚、妊娠糖尿病の方は、産後は母乳で育てることが強く推奨されています。

 

参照:The Society of Obstetricians and Gynaecologists of Canada

 

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    まとめ

妊娠中に空腹な状態を維持することは、心身ともに辛いと思います。特に食べつわりの方は空腹状態になることは避けたいですよね。妊娠中はすごくよく食べるようになる方から、つわりや胃が圧迫されることにより全然食べられなくなる方もいます。妊娠をしたら、食べられる量の中で、バランスよく食事を摂るようにしましょう。

周囲を見ていると、普段から糖分の摂取をしていない方は、グルコーステスト時の急な糖分摂取に体が対応しきれず、数値が高くなる傾向にあるように見受けられます。医療的に求められている場合を除いて、妊娠中はできるだけバランスの取れた食事をするように心がけましょう。

 

 

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