妊娠したら、出産前に必ず行う検査としてGroup B Strep testがあります。
文字だけでは、何の検査なのかさっぱりわかりませんよね。
このページでは、Group B Strep testについて詳しく解説していきます。
Group B Strep testって何？
Group B Streptococcus(以下GBS)は、日本語ではB群溶血性連鎖球菌と言います。
GBSは、膣、直腸、または膀胱によく見られる一般的な細菌です。多くの場合、女性は症状がなくてもGBSになります。細菌が母親に問題を引き起こすことはないかもしれませんが、それが赤ちゃんに感染すると、まれではありますが敗血症や髄膜炎、肺炎などの深刻な合併症や呼吸不全を引き起こす可能性があります。妊婦全体の約15〜40％がGBS陽性と、保有率はやや高めです。それらの約40〜70％は出産を通して赤ちゃんに細菌が移りますが、感染症を引き起こすのは2,000人に1人の割合と感染率は低いです。ただし、発症すれば急速に重篤化し、命を落としたり後遺症が残ることもあります。
全ての妊婦が細菌のスクリーニングを行うことが推奨されています。
Group B Strep 検査はいつすれば良いですか？
通常、妊娠35週から37週の間にGBSのスクリーニングが行われます。
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帝王切開での分娩を予定していますが、Group B Strep検査を受ける必要はありますか？
帝王切開分娩を計画している場合でも、断水したり、分娩予定日より前に分娩した場合に備えて、GBSのスクリーニングを受ける必要があります。
Group B Strep検査はどうやって行われますか？
テストは簡単で、綿棒で膣と直腸を拭くことによって行われます。痛みは伴いません。
検査機関へ綿棒を送り、綿棒を培養してGBSが存在するかどうかを確認します。
Group B Strep検査の結果はどのくらいで出ますか？
通常、24-48時間以内に結果が出ます。
Group B Strep検査の結果はどうやって知ることができますか？
産婦人科医や助産師のオフィスにより異なる場合がありますが、通常はオフィスから電話がかかってきます。
妊婦は分娩時に必ず検査結果を知っていないといけないため、電話がかかってくるはずなのにかかってこない時は、自分からオフィスへ連絡を入れて、検査結果を入手しておくようにしましょう。
赤ちゃんが感染するかもしれない危険因子は何ですか？
特定の要因により、GBS検査で陽性と判定された場合、赤ちゃんがGBSに感染する可能性が高くなります。これらには以下が含まれます：
♦妊娠37週前の陣痛(labour)または破水(rupture of membranes)
♦破水後18時間以上経過している
♦分娩中に原因不明の軽度の熱がある
♦GBSに感染した赤ちゃんを出産したことがある
♦尿中にGBSが検出されたか、GBSが原因で膀胱感染症を発症した
Group B Strep検査結果が陽性だった場合、どうなりますか？
GBS検査で陽性と判定された場合、または上述のいずれかの状態にある場合、陣痛が始まった際、もしくは破水した際に、抗生物質を静脈内に投与していきます。抗生物質の投与は赤ちゃんが生まれるまで繰り返し行います。まれですが、赤ちゃんの感染症の症状については引き続き注意深く監視していくこともあります。感染は最初の7日間またはその後に現れることがあります。早期発症型の感染は非常に深刻な場合があるため、これがGBS陽性の女性が分娩中に治療される理由です。赤ちゃんがGBS感染の兆候を示した場合は抗生物質で治療していきます。
何か気を付けるべきことはありますか？
♦お産の時もそうですが、このGBS検査を受ける時も、医師から「ペニシリンアレルギーがあるかどうか」が尋ねられます。これは、投与する抗生物質はペニシリン系のものを使用するからです。また、ペニシリンアレルギーの妊婦の場合は代替薬として使用されるクリンダマイシン(clindamycin)とエリスロマイシン(erythromycin)の感受性検査も受ける必要が出てくるかもしれません。
♦お産前に必ず検査結果を知っておく必要があります。
参照：
The Society of Obstetricians and Gynaecologists of Canada
まとめ
Group B Strep検査自体は、一瞬で終わり、なんの痛みも感じません。妊娠35-37週の間に検査をするので、人によってはお産間際の検査となる可能性もあります。ただし、検査結果は通常24-48時間以内に出ます。分娩の際に検査結果とペニシリンへのアレルギーがあるかどうかが聞かれますので、必ず検査結果を知っておくようにしましょう。
妊婦のGBS保有率と赤ちゃんへの移行率は高めですが、発症率は低くなっています。しかしながら、万が一発症した場合は命に関わる状態となりかねません。感染は産後7日間からそれ以降に現れることがあります。検査結果が陽性だった場合は、産後赤ちゃんの様子を注意して見ておくようにしましょう。